月別アーカイブ: 2013年2月

掲載にあたって(追記)

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領土問題で日中関係が紛糾した昨年は、デマに近いものも含めて双方で表層的な情報が多く飛び交い、負の連鎖が広がっていく様子を目の当たりにしました。
これはビジネスの現場で信頼関係が崩れ、連携がうまくいかなくなるのと構図としては全く同じように感じられ、意思疎通・コミュニケーションの大切さを再認識しました。

講演した当時の想いとして、

  • 中国でのオフショア制作については、過去の失敗事例から業界内でもネガティブなイメージが先行していたので、改善されつつある状況を最新情報として伝えたい。
  • 多くの中国関連セミナーが、中国の悪い部分、難しい点にフォーカスして警戒感を煽るような内容であったため、建設的なアプローチからの話を聞いてもらいたい。

・・・というものがありました。なので、今になって客観的に見れば、中国人サイドにかなり歩み寄った内容になっていると感じます。
無防備に中国での展開を考えている方には、やはり自分も難しい点・注意すべき点などを強調して伝えることになりますので、先に「親中か嫌中か」というスタンスありきではない点、念のため明記しておきます。

また、どちらかと言うと、中国で「ヒドい目に合った」話の方がエピソードも豊富で盛り上がり、ウケは良いのですが・・・そこから更に一歩踏み込んで、先入観なしに現地の実情を理解するところからが実務レベルのスタートラインです。
講演の内容に関しては、2年余り過ぎた今になって読み返しても主要なポイントについては言い尽くしてあるように思います。中国に限らず、海外でのビジネス展開に従事されているより多くの方に目を通して頂き、ご意見やご指摘などお寄せ頂ければ幸いです。(2013.2.13掲載)

まとめ:中国人でも、話せば分かる!

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偉そうに説明してきましたが、実際は中国人スタッフと衝突して口論になったり、教育ビジネスでクレーム騒動が起きて、大勢の中国人に囲まれて罵声を浴びたりもしました。なので、これまで常にうまくいっていたわけではありません。
ただ、同じような経験は日本でも過去に散々してきて、コミュニケーションを取って解決の努力をするしかなかった・・・それが中国では、相手が中国人になるのは当たり前・・・というスタンスで取り組んできました。トラブルの相手が中国人であっても、感情的なやり取りを避けて思い込みや誤解を解けば、やがて事態は沈静化して信頼関係が芽生えます。結果的に「目線合わせが足りていなかった」というケースがほとんどなのです。

これも制作の修正作業と同じで、何かトラブルが発生してからフォローに労力を費やすか、事前の目線合わせに労力を割いておくか、というマネジメントの姿勢の問題です。

また、中国ビジネスといえば「酒」ということで(笑)、確かに重要な要素ですが、

1.責任や権限の明確化(ルール、方針)
2.円滑な関係づくり(親睦、呑みにゅけーしょん)

当然ながらこの順番でマネジメントしないと、潜在的な不満が何かの機会に必ず噴出してしまいます。客観的には、欧米式のロジカルなマネジメント手法の方が中国人とは相性が良いと感じます。一方では日本式な家族経営も人心掌握に効果的なので、まさに「和魂洋才」のアプローチが最適なのだと思います。

相手と理解し合えないケースは日本人同士でもあります。だからこそ「中国人でも、話せば分かる!」と信じたい、そう考えると中国人とはいえ一緒にやっていける人も多いのが事実で、こちらが相手を選んで「話せば分かる」中国人と付き合っていけばいいのです。

むしろ日本サイドから「現地の事情など関係ない」と冷たく突き放されたこともありますが・・・そういった状況で苦労している時に現地でサポートしてくれ、ついてきてくれたのは中国人スタッフでした。信頼できる中国人に囲まれながら「話の通じない日本人よりも仕事がやりやすい」と感じたことがあるのは事実です。

自分自身の実感としては「話の通じない日本人よりも、話の通じる中国人!」なのです。
苦労されている方からは異論もありそうですが、このような観点で接していれば中国人ともストレスを溜めずに自然体で付き合えると思います。

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日本人が管理をするか、中国人に任せるべきか?

第2部:「中国だから」「中国人だから」の落とし穴
china_title3.日本人が管理をするか、中国人に任せるべきか?

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参考資料「コーチングが機能する領域」( coach21のサイトより )

まず「リスクと能力」ですが、問題となるのはリスクの高い領域となります。
経験が豊富で能力の高い中国人をマネージャーに採用できた場合、目標や方向性を提示した上で、具体的な実行は任せる「コーチング」的アプローチでも良いと思います(A領域)。
若い中国人(経験が浅い→能力が低い?)の場合は「ティーチング」を要する場合が多いはずです(C領域)。日本で要求されるサービスや品質のレベルをどのように実現するか、彼らの多くは実体験として知りませんから、それを理解して実践できるようになるまで日本人マネージャーによる管理と指導が必須です。
この表で確認できるのは、業績に関わるような「成果を求められる仕事」について、中国人に丸投げして「結果を出せ!」といった任せ方は存在しない、ということです。プレッシャーから荒っぽい方法で目先の目標だけを達成しようとするため、ブランディング面での弊害が多くなります。実務経験のある中国人でも、日本企業での勤務経験などがない場合は、日本人がコーチ役となって考え方やノウハウを共有しながら進めることが大切です。

次に「重要度と緊急度」ですが、「重要だが緊急ではない」中長期的な取組みを、中国人の次世代リーダーに任せるのが良いと思います。逆に、緊急度の高い、業績に直結するような取組みは、やはり日本人の責任者がリーダーシップを発揮して推進するべきです。
仕事の進め方、顧客に対するスタンスなど、まだまだ一般の中国人との認識の差は大きいです。時には議論が倫理観など哲学的になり「ハーバード白熱教室」のようになってしまいます。柔軟さも大切ですが、経営ビジョンや事業コンセプトといった旗を掲げて、強力なリーダーシップで牽引しなければスピード感のある展開は難しいと感じます。

一方で、中国でも留学経験のあるMBA取得者などが増えています。我々に近い感覚で中国マーケットの未成熟な部分に着目できますし、彼らは(少なくとも自分より)能力が高い・・・我々以上に中国を理解していて中国語も不自由ないわけですから、絶対に適いません。
そういった優秀な中国人には段階的にでも権限を与えて任せていくべきで、それが「中国人に任せた方が良い」の真意ではないでしょうか。

MBA取得者は極端な例ですが、バイリンガルの若い中国人には我々と近い感覚を持つ者も多く、中途採用の応募者には日系企業でしっかりした社員教育を受けてきた人もいます。そういったポテンシャルを見抜いて、どこまで任せても良いかを判断するのが現地マネージャーの大切な役割になるでしょう。

中国人のマネジメントは本当に難しいのか?

第2部:「中国だから」「中国人だから」の落とし穴
china_title2.中国人のマネジメントは本当に難しいのか?

中国には「明日から来なくてもいい」と躊躇せずに解雇する経営者が多くいます。中国式の雇用文化(?)である「一発退場」は中国人にとっても不安で、そのような脅迫観念から来る自己保身が様々な弊害につながっている気がします。

前述のインターンシップ運用では、透明性のある評価プロセスを事前に告知して、そのルールに沿って進めたのですが、これは中国人の従業員からも非常に評判が良かったです。
実務においても、イエローカード、レッドカード・・・といった段階的な警告制度があれば大多数の中国人はそのルールを意識して動きますし、仮に退場者が出たとしても周囲が同調して集団で騒動を起こすようなことはありません。
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柔道場の畳のイメージなのですが、事前に「場外ルール」を定めてライン上で警告するようにすれば、その枠内でモノゴトが進められるものです。こういった「枠組みづくり」はマネジメントの基本であり、現場が中国であっても必要不可欠なはずですが、文化の違いとも相まってルールづくりが疎かになっている傾向があります。
従業員とのトラブルの原因がマネジメント側にあることは少なくないのです。

スポーツなど多くの競技がそうであるように、あらかじめ定められたルールで行われるゲームでは、勝敗の基準や何が違反行為になるかは事前に共有されています。同様の考え方で、何をすれば評価されるのか、ペナルティーを受けるのかをチームに浸透させていけば、日々の細かい指摘は減っていきます。これは相手が中国人であっても全く同じです。

中国人との「違い」にばかりフォーカスせず、「同じところ」に目を向けてみると、多くの部分で「なんだ、日本人と同じじゃないか」と思えてくるものです。
いろいろ思うようにいかなくて困った時でも、駆け引きせずに正直に事情を相談すれば、ほとんどの中国人は協力してくれます。(もちろん、理不尽な理由でなければ・・・です)

3.日本人が管理をするか、中国人に任せるべきか

日系企業でも中国人マネージャーにした方が業績が良い、といった統計があるそうで、中国のマーケット開拓、組織のマネジメントは「中国人マネージャーに任せた方が良い」といったトレンドになっています(2011年当時)。大きな方向性としては自分も賛成ですが、一方でサービスや商品のクオリティー管理など、日系企業としてのブランディングを考えると手放しで中国人に任せるのはリスクが大きいと感じます。

どこまで任せるか?といった指針にできる考え方として、コーチングの資料を紹介します。

“中国人”とは誰を指しているのか!?

第2部:「中国だから」「中国人だから」の落とし穴
china_title1.“中国人”とは誰を指しているのか!?

ステレオタイプな中国人のイメージとして「自己主張ばかりする」「謝らない、非を認めない」「お酒が(やたら)強い」といった話をよく聞きます。ただ、現地で仕事をしてみると、これとは全く違ったキャラクターの中国人がたくさんいることに気づかされます。
例えば、ぼくと組んでいるテクニカルディレクターの王さんには「もっと意見を言ってほしい」「不満を溜めないでほしい」といった注文をよくします。彼はコップ一杯のビールも呑めません。こういった技術者タイプの控えめな中国人は、当然ながらあまり目立ちません。
ビジネスの最前線に現れる、熾烈な競争で勝ち残ってきたアピール上手な中国人の押しが強いのは、当然といえば当然のことだと思います。
また、社会インフラが整備されておらず、サービスが行き届いていない現地に駐在してみると、多少強引に前に出なければ何も進まない、生活していけない現実を味わいます。自分自身が中国人と先を争って肩をぶつけ合ったり、罵られて罵り返したりした経験から、これはパーソナリティーの問題ではなく置かれている環境の問題だ・・・と納得しました。

こちらは、実際に運用したインターンシップの評価会議の資料です。約20名に対して、技術的な能力と取組み姿勢について評価を行い、合計点の高い順にランク分けしたものです。(顔写真と名前を伏せて公表します)AAランクの彼も、DDランクの彼も中国人です。
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上位グループは常に要求した以上の成果を出してくるので全く手が掛かりませんでした。
一方で下位グループは勤怠などの面から問題があり、アドバイスにも素直に従わないので指導では非常に苦労しました。当然ながら、社員への登用は上位グループから検討しました。

実体験として、勤勉で優秀な中国人と付き合っている限り、ストレスは少ないです。

余談ですが、北京の観光地で「日本人観光客の団体」が騒動を起こしたニュースがありました。事情を聞いたら関西弁のご婦人方ご一行だったそうです。特定の人物の言動から「日本人観光客」というレッテルを貼られるのは迷惑だと感じましたが、良識のある中国人も様々な悪い評判について同様に感じているかもしれません。

なぜ制作現場の管理は難しいのか?

第1部:中国におけるマネジメント体制と課題china_title(2)スタジオマネジメント機能 なぜ制作現場の管理は難しいのか?

一般的に「難しい」と言われていますが、ストレスが生じる=期待値と現実にギャップが生じてしまうポイントをまとめてみます。

a ) 安い人件費?(→ 長いリードタイム)
単純に人件費の安さに期待されますが、現地は「1日8時間 × 週5日間」労働が基本で、残業や休日出勤への意欲には個人差があります。最近は「客先の予定に合わせる」感覚も根付いてきましたが、旧正月や国慶節など現地の生活習慣が優先される時期には現場が完全にストップしますので、事前の調整が必要です。
仕様書の翻訳など着手までのロスタイムがあり、発注先から届く文書の完成度がそのまま作業効率に響きます。ディレクションに通訳を介するロスも考えると、新規の取引で慣れない案件の場合はリードタイムが日本の1.5~3倍にも膨らんでしまいます。短納期の込み入った案件などは、人件費が割高でも慣れている日本人で手際良く済ませた方が圧倒的に経済性の高い場合があります。

b ) 修正回数が多くなる理由(・・・的外れなのか、的が用意されていないのか?)
いったん仮納品してから修正が何度も繰り返されると、双方のストレスが高まるのでなるべく避けたいのですが、現実的には様々な事情で発生します。原因として、大きく分けて2つのケースがあります。「弓矢を的に当てる」という例えをすると、

A.的の位置は明確だが、矢が的に当たらない。
B.的の位置が不明確で、矢を放ちながら的の位置を探っていく。
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Aについてはスキル不足やキャスティングのミスが原因で、中国側での改善が求められます。中国人でもトップクラスの技術力は非常に高く、末端の作業者でも社員教育や技術研修をやれば顕著な効果が出ますので、この点は時間の問題で解決できると感じます。
一方でBについては、フロント営業や客先など上流への働きかけが必要で、間に入っている日本人が積極的に動かなければ解決は不可能です。現地の作業者に対して、

1.的を明確に示す。
2.的との「ずれ」を明確に示して近づけさせる。

ということが日本人ディレクターに求められる役割ですが、必ずしも発注サイドで的が明確に定まっているとは限りません。突き詰めれば客先との連携や信頼関係が最も重要なのですが、これは残念ながら中国の現場サイドではコントロールできないことです。最初からトライ&エラーを前提としたスケジュールを組むなど、客先も巻き込んだライン全体での取組みがスムーズな納品対応につながります。

c ) 文化の違い?
中国人に「山」や「森」を自由に描かせると、我々が思い浮かべる風景とは異なった景色になります。求めているイメージを的確に伝えるために画像の資料を多用しますが、特にキャラクターデザインにおける「カワイさ」などは我々日本人にとって「的外れ」になりがちです。こういった「文化の違い」を実感する機会は日々ありますが、特に仕上げに近い工程でニュアンスのギャップを埋めていく意思疎通は非常に神経を使います。
文化の違いが「ある」という前提から、体制面でも、精神面でも準備をしておかないと、煩雑なコミュニケーションの全てがストレスに感じられてしまいます。

以上の3点がポイントです。

・・・実は、同じ出来事を難しいと感じるか否かは、当人の「気の持ちよう」といった面もあります。中国ビジネスに関わっている人とは「中国だから」「中国人だから」という話題になりがちですが、これにはふたつの意味が含まれているように感じます。

  • 現場に対する寛容な姿勢(昔は日本でもこうだった、長い目で見よう)
  • あきらめる理由(何をやっても無駄・・・やらない言い訳)

日本料理店で酒を呑みながら「中国だから」「中国人だから」と激励し合うわけですが、粘り強く取組んでいこうという意味でも、面倒を避けてやり過ごそうという意味でも、双方に使える便利な言葉です。この「中国だから」「中国人だから」というカードをいったん禁じ手にしてみると、中国人をマネジメントする課題の本質が見えてくる気がします。

次のパート「(3)人事・採用・次世代リーダー育成」については、中国の現場、中国人のマネジメント関する本質的な内容になりますので、第二部として解説させて頂きます。

なぜCG業界の通訳は難しいのか?

第1部:中国におけるマネジメント体制と課題china_title(1)ブリッジ機能 なぜCG業界の通訳は難しいのか?

まず、一般的な製造業などと比較して難しいと言われるCG制作現場の通訳について。
専門用語が多いのはどの分野でも同じだと思いますが、通訳として経験豊富な人でも機能できるようになるまで少し時間が掛かります。その理由について整理してみます。

a ) 通訳に求められる能力
CG制作現場の通訳としては、下記のような能力が求められます。

  • 語学力 ・・・・ 5年~実務経験

まず日本語の専門的な勉強を5年程度した人、できれば日本語を使った実務経験のある人。四年制大学の日本語学部を卒業して日本語検定一級を持っていても、会話ではスムーズにコミュニケーションできない人も多いので、面接でしっかり確認することが大切です。

  • 専門用語 ・・・ 1~3カ月

最初はいちいち解説しなければいけませんが、業務の範囲で使用する用語がひと通り出尽くしてしまえば日常の通訳はスムーズになります。それに1~3カ月を要します。日本のエンタメ業界に詳しくなくても実務上の影響はありません。(経験を重ねた後でプロデューサー的な活躍を期待するか?といった長期的な観点から、採用時に考慮する場合があります)

  • 段取り力 ・・・・ 才能?

ただ言語を変換するだけでなく、通訳として間に入って調整を重ねながら、ワークフローの組み換えやルールづくりなどに貢献できるのが理想です。この点を経歴や資質の面から見抜くのは採用担当のウデの見せどころです。日本語を話せるバイリンガルから「デキそうな人」を選んでリーダー候補として育成する、これが最善の採用活動になると考えます。

b ) カタカナの専門用語が多すぎる!?
中国では、英語の専門用語の多くは漢字に置き換えられています。
例えば「Modeling = 建模」「Motion = 动慢」「Rendering = 渲染」といった具合です。
日本語では、そのままカタカナ英語ですが、「このスフィア(Sphere = 球体)をデュプリケイト(Duplicate = 複製コピー)して・・・」といった作業手順、日本語の中で急に発せられるトランスペアレンシー(Tranceparency = 透明度)やアトモスフィア(Atmoshpere = 雰囲気:空間中の霧の量)といった用語を瞬時に中国語に置き換えるのは、経験豊富な通訳でも無理があります。
専門用語は現場で実務に触れていれば一定期間で身につきますが、立ち上げ当初など人員が不足している時期は急なゲスト対応でヒヤヒヤすることが多くありました。(通訳の脇で補足の解説を行いますが、意思疎通に時間が掛かるので会話の密度が下がってしまいます)

c ) 思いやりのある、回りくどい表現
語学的な日本語の曖昧さも根底にありますが、修正の作業指示など「お手紙」のように情緒性を含んだ表現になることが多いです。簡潔に「ここがダメだからこう直せ」と書かず、相手が察して自発的に修正するように促す・・・日本的な美徳としては理解できますが、外国人にニュアンスを汲み取って意訳させることは誤解のリスクを伴います。
込み入った修正の場合など、客先からきた指示をそのまま現場にリリースせずに、いったん自分が書き直して(日本語から日本語へ)から中国語に翻訳してもらったりしています。
・労いの言葉などは前後の挨拶として伝えて、作業指示の文章に混在させない。
・内容から「要するに」という結論のみを抜き出し、単刀直入に列記する。
・箇条書きに表現を変えて、作業項目としてナンバリングする。(チェックリスト化)
このような点に配慮しますが、経験的にはこの手間を掛けた方が完了までの回り道を減らせます。

d ) 感覚を言語化する限界
表現に擬音が多いのはエンタメ産業の特色ですが、「このテカリをもう少しヌメヌメした感じに」といった指示があると、バイリンガルが集まって「テカリ」「ヌメヌメ」に関するディスカッションが始まります・・・最終的に画像検索で写真を何枚も見せたりして求めるニュアンスを確認しますが、イメージや感覚を伝える方法として文章は振れ幅が大きく、分かりやすい図解や参考画像を使った説明の方が誤解は少ない(語学力の不足を補って余りある!)というのが実感です。

全般的に、作業者のスキル不足から生じるテクニカルな問題よりも、コミュニケーションのロスにより発生する問題の方が、スケジュール進行に大きな影響があります。チームにおける通訳の役割が、単なる言語の変換担当であるか、ワークフロー全体をハンドリングするプロジェクトマネージャーを兼ねているかは、ライン全体の生産性を大きく左右します。